単なるオフィスじゃない。家具のショールームとして活用する、インターオフィス社が語るMol.tの魅力

Mol.tの空間は、洗練された高品質でデザイン性の高い家具で彩られており、その中にはヨーロッパの名だたるブランド「Vitra」や「USM」などの名作も揃っています。そんなMol.tの家具をトータルコーディネートしてくださっているのは、株式会社インターオフィス。

今回は、同社の営業部である株式会社インターオフィスの大坪遼海氏に入居背景や活用方法について、詳しくお話を伺いました。「他のコワーキングスペースにはないMol.t独自の魅力がある」と語りつつ、今後の展望についても触れ、「博多イーストテラス全体を巻き込んだ企画も積極的に展開していきたい」と意気込みを語っています。

■2022年8月にMol.tに入居、3名部屋をご契約中
■株式会社インターオフィス:1975年の創業以来、東京本社を中心に、「より良いデザインを提案することによって、より良い生活を提供すること」をミッションとして事業を展開。ヨーロッパの高品質な家具の輸入販売およびスペースデザインまで一気通貫に手がける。

Mol.tの入居を機に、九州エリアで事業を開始

── インターオフィスさんは、Mol.tに最初に入居された企業でしたね。まず、ご入居までの経緯を教えていただけますか。

大坪氏: 最初のきっかけは、Mol.tの事業主である株式会社NSFエンゲージメント※1さんからのお誘いでした。Mol.tとの協業についての相談があり、提案を受けたのはMol.tがオープンする一年ほど前の2021年8月でした。(Mol.tのオープンは2022年8月)

このタイミングがちょうど、当社の福岡支店を立ち上げる計画と重なり、Mol.tとの協業を前提に入居を決めることになりました。

株式会社NSFエンゲージメント※1:ソニーグループの総務部門が独立し、NTTファシリティーズとの合弁会社として2019年10月に設立。

── Mol.tとの協業というのは、具体的にどのような形で行われていますか?

大坪氏:具体的には、Mol.tの共用部家具のコーディネートを担当しており、私たちが扱っている家具が館内に展示されています。また、Mol.tだけでなく、博多イーストテラスのエントランスも一部、インテリアコーディネートを担当しています。

──つまり、ショールームのような役割を果たしているということですね。なぜ福岡に進出しようと思ったのでしょう。

大坪氏:これまでは、東京本社と大阪支店の二拠点で輸入家具を中心としたオフィスのデザインをご提案してきました。福岡で商談があるときには、大阪支店から出張という形で来ていたんです。しかし、それらを九州エリアでさらに拡大していきたいという想いがあり、博多エリア・天神エリアの再開発プロジェクトも後押しとなり、福岡支店を立ち上げることにいたしました。

── 福岡市内にもう一つ拠点があると伺っています。そちらとの使い分けはどのようにされていますか?

大坪氏:サテライトオフィスであるMol.tは2022年8月に開設し、警固にある自社ショールームは同年10月に立ち上げました。自社ショールームは、弊社が直接輸入しているエクスクルーシブブランドの家具を中心に見ていただくスペースとしており、一方でMol.tは我々がご提案するオフィスのデザインをイメージしていただくスペースとして機能している、といった違いがあります。そのため、来客のお客さまのタイプに合わせてご案内するオフィスを使い分けています。例えば、具体的に検討されている家具が決まっている場合は自社ショールームへご案内し、オフィス全体のデザインをイメージしていただくのであれば、Mol.tをご案内することが多いですね。

家具が置ける「床下収納」がMol.tの魅力

── 実際に入居してみて感じたことや気づきを教えてください。

大坪氏:Mol.tの床下倉庫(収納スペース)の大きさは特にメリットを感じています。高さが140cmあり、商品を保管しておくことが可能です。こんなにも広々とした収納スペースを備えたコワーキングスペースはそう多くありません。倉庫を借りる必要がないので、在庫を置きたい企業にとっては非常に助かると思います。さらに、平日9:00〜18:00で常駐しているコミュニティマネージャーが、郵便の受け取りを無償で対応してくれるのも有り難いです。新築のオフィスビルに入居している点も良いですね。清潔感があり、使い心地が良いです。

▲インターオフィスさんの床下倉庫の収納スペースの活用例

─── お客さまからはどのような反応をいただいていますか?

大坪氏:総じて、お客さまからは「環境がいいですね」「こんなところで働きたいですね」といったポジティブな感想をよく聞きます。設計事務所や空間デザイン関連の方々をお連れする機会が多いのですが、Mol.tの空間やインテリアについて褒めていただきます。

── ショールーム的に活用することで、相乗効果を実感していますか?

大坪氏:中長期的なPRとして非常に効果的だなというのは感じています。そういう意味でいうと、以前、Mol.tを活用して大規模な展示を行い、お客さまを招待することで、「こういうのを買いたい」「こういうオフィスをしたい」といった声をいただきました。また、入居者から直接「このチェアが欲しい」といった依頼を受け、それが購入に繋がったこともあります。さらに、Mol.tで名刺交換した方と、規模の大きい案件に繋がった経験もあります。

── 定期的にインテリアを模様替えしていただいていますが、どんなことを意識してコーディネートされているか教えていただけますか。

大坪氏:インテリアの模様替えは、福岡支店のメンバーでテーマを決めて社内で企画を出しています。以前の屋外家具をコンセプトにしたレイアウトの時は、かなり評判でしたね。テーブルサッカーゲームやバランスボールなどの遊び心ある要素が評判で、「模様替えしてほしくない!」という意見も出ました(笑)。最近はMol.tでのオープンスペースでのイベント利用が増えているので、そことの兼ね合いを検討しながらコーディネートを考える必要があるな、と感じています。今後は、家具の配置や可動性が高いものを置くなど工夫していきたいと思っています。

── 次の模様替えはどんなテーマを考えていますか。

大坪氏:個人的には、サステナブルで環境に優しい素材を使用した家具にフォーカスした展示をやってみたいと考えています。また、メーカーから「Mol.tに展示して欲しい」という依頼もありますので、様々な方向性で検討して形にしたいです。

▲2023年10月頃のMol.t内観。屋外家具がコンセプト
▲Mol.tを訪れる人や入居者からみんな人気のあった「CASINIのバランスボール」

大坪氏が提案する、インテリアを起点にした新たな交流の創出

── 今後、パートナー企業としてどのような施策をやってみたいですか?

大坪氏:まずは、博多イーストテラス全体を巻き込んだ企画をやってみたいです。具体的には、「USM」という家具ブランドのキャビネットをテーマにした企画展を行い、博多イーストテラスのエントランスにも一部USMの家具を配置します。こうすることで、USMに興味を持った方々がMol.tを訪れて展示を楽しんでくれるように促す。その結果として、エントランスからの人の流れを活性化し、テナント企業と入居者同士の交流を促進できると考えています。

そして、もう一つは、Mol.t内での挑戦です。例えば、Mol.tのオープンスペースに丸型ソファーを設置して、入居者同士がリラックスしながら交流できる場所を提供したいと考えています。

もっとインターオフィスの家具を起点に、コミュニケーションを促進していきたいという想いがあります。

▲奥に見えるのがUSMハラーキャビネット

── それはぜひ、Mol.tスタッフも一緒に企画したいです!

大坪氏:私も企画はぜひ一緒に考えたいなと思っていて。スペースデザインを担当している立場で、次はどういう空間があると良いのか、といったことを常に考えています。USMに限らず、ここに人が来るきっかけになればなっていうのは思っています。

── インターオフィスさんを初めて知る読者にむけて、大坪さんが感じるインターオフィスの強みについても教えて下さい。

大坪氏:長年、ヨーロッパを中心としたデザイン性の高い家具を扱ってきたことによる、デザインに対する知見と、幅広い顧客層に対応できる柔軟性が強みだと感じています。

当社は1975年から家具の輸入業を行っており、今では40以上のブランドの家具を取り扱っています。この長い歴史と実績から、各メーカーとのコネクションが強く、そこに我々のデザインを加えて、幅広くご提案できるという自負があります。また、その信頼と専門性を証明するものとして、メーカーからMol.tに展示を依頼されることも挙げられます。

また、インターオフィスはオフィス家具のイメージが強いかもしれませんが、実は生活者向けのECサイト「MAARKET」も運営しています。言うなれば、すべての人がインターオフィスのターゲットになり得るということです。

── 最後に大坪さんが考える『WORK LIFE FULLNESS※2』を教えて下さい。

大坪氏:その日の作業内容に応じて、自分で働く場所を選ぶことを強く意識しています。我々はオフィスをデザインする会社なので、「オフィスで働くこと」を推奨していると思われがちですが、そうではありません。その時に抱えているタスクや、仕事内容によって、働く場所を自ら考えて判断し、行動することが良い結果を生むと考えています。

たとえば、カフェやコワーキングスペースなどで仕事をする方がアイデアが湧きやすいこともあります。オフィスに閉じこもるのではなく、Mol.tの会員特典※3も利用しながら様々な場所で働き、効率よく仕事を進めることで、仕事だけでなくプライベートも充実させていきたいです。

WORK LIFE FULLNESS※2:Mol.tのブランドコンセプトである「働き方と暮らし方の両方を充実させる」という造語。

Mol.tの会員特典※3:月に一回ずつ、SALT(福岡市 今宿)HOOD 天神(福岡市 天神)快生館(古賀市 薬王寺)の提携コワーキングスペースを利用可能。